道路も歩道も狭い日本。
こんなふうに、高い位置で、歩道の上をまたぐように工事している場面にもよく出くわす。
かならず警備員が立っていて、「どうぞどうぞ」って誘導してくれるけど、誘導されようとされまいと、遠ざかりたいなあ。反対側の歩道に移動してでも避けたいところだ。
これは、もう相当前の話で、東京の繁華街で起こったと記憶している事故のニュースだが、恐怖とおぞましさで身の毛がよだった。
あるご夫婦が、繁華街の歩道を歩いていた、歩いていたすぐ隣は、こんなふうに建設現場だった。
そこへ、旦那さんの頭の真上から、円柱状で中が空洞の建設資材が落下してきた。
その巨大なストローは、加速度を付け、旦那さんの頭の上から貫通し、体の中をまっすぐに串刺し状態にしてしまったのだ。
もう、運が悪すぎる事故と言っては失礼だが、あと1歩前か後ろにずれていたら、起こらなかったことだ。
この旦那さんは、地獄の苦しみに襲われ、断末魔の叫びと表現しても到底足りないほどの悲鳴を上げ続けた。
更に悪いことには、何にしても、体の中心を、硬い円柱が貫いたので、身を二つ折りにすることも、かがむことも、身をよじることもできなかったことだ。ただ真っ直ぐにバタっと地面に倒れ、手足をばたつかせながら悲鳴を上げる以外なかったそうだ。
こんな不幸な事故で、苦しみながら亡くなってしまった旦那さん。
死因は、出血多量、だったのか、そこまで記憶がない。
不謹慎な話だが、葬儀のために、体からその円柱を抜き取ることができたのだろうか。
上から落下してきた何かに当たって亡くなる、という事故は稀に起こる。
飛び降り自殺の体が衝突して亡くなった、という話もたまに聞く通り。
確率から言ったら極めて微少だけど、それでもやっぱり、建設現場の近く(や、自殺者が飛び降りそうなビルの近く)を歩くのは避けたい。