夏の食卓(と俳句)

私がもっとも好きな俳句の一つが、星野立子

「美しき緑走れり夏料理」

緑や赤などの冴えた料理が、夏の食卓に置かれているのが目に浮かぶようである。

 

星野立子の句は、少しも難しい言葉や奇をてらったような言い回しを使っていない。ごく日常の言葉で、破調だとかのような細工もなく、素直な句なので、私のような素人にもすーっと入ってきてくれる。

 

高浜虚子は、息子や娘もたくさんいたのに、句を作るよう勧めたのは、この次女立子だけだったそうな。

そして、その当時まで俳句とは、「男だけがするもの」だったのも驚きだ。虚子は、自らの次女に作句を勧めると同時に、女性にも俳句の門戸を開いた形になった。和歌ならば、千数百年もの間、男女を問わず誰でも読んだものなのに、俳句は最初、女人禁制だったとは。ともあれ、虚子のおかげで、以降百年、女性が俳句を読むのもごく当たり前になった、ということのようだ。(なんで日本の男ってこうも狭量なんだろう、ブツブツ)

 

 

さて、関係ないけど、昨日のなす料理。

なすは、皮ごと煮ると、汁が真っ黒になり、それはそれでなすの色だからいいんだけど、黒くないなすの煮物を作ろうと思って、皮をむいたなすと、鶏挽肉を煮た。一見「とうがんの煮物」みたい。片栗粉でとろみを付けた。美味しかった。

 

 

あとね、タルタルソースを作るとき、よく「きゅうりのピクルス」を刻んで入れるかと思うのだけど、私は「ケッパー」を加えるのが好き。下の干しぶどうみたいに見えるのがケッパー。