酷評のNHK朝ドラ

NHKの朝ドラが、もう不評、酷評の嵐の様相だ。

私は見ていなかったんだけど、林真理子さんが毎週連載している週刊文春のエッセイでケチョンケチョンに書いていたから、どんなにひどいか、数回だけ見てみようか、と思った。

林さんといえば、今や日大の総長である。その林さんをして、脚本家の羽原大介氏を「大学(日芸)の後輩だからと思って見ていたけれど、もうかばいきれない」と吐き捨てさせた。林さんいわく、

「主人公の努力でかなえられたことが何一つ無い。全部できすぎの偶然の産物」

「あの当時、女の子でレストランのシェフなんて絶対にいなかった」

「新しく仕事を始めるなら、かならず出産をコントロールするもの。なのに主人公はこれから店を始めるというのに、避妊もせず、すぐ妊娠した」

「最初からあんな広い店を借りるなんてあり得ない。あのスペースなら、キッチンにシェフ2名、ホールのお運びが2名は絶対必要」

「あんなにおなかが大きくなったのに1日立ち仕事なんてできるわけがない。あのドラマのせいで、妊婦に理解のない人たちにどれほど誤解を与えてしまったことか」

など、など、罵詈雑言の列挙であった。

 

かくして私もちらっと見てみたけど、ちら見でもあきれ果てるレベルの低さだった。

 

何でも、借金を返しに行くからと40万円を苦労して工面したのに、それを店のカウンターに置きっぱなしにして銀行に出かけていった。そんな大金を、そんなずさんな扱いをするか? 主人公は、脳に障害があるのか。小学生でもあり得ない。

いったん店を閉めて、再開したら、急に店が客で満員になった。いくら味の改良をしたかわからないが、そんなわけないだろう。

実家も借金だらけだったはずなのに、ニーニーが働いたというおかげで、ナレーション一つで完済したことになっていた。そんな簡単に返せる額だったの?

 

そして、この家族、沖縄と東京という遠距離を、瞬間移動でもするように、いともたやすく行き来しているのだ。現在だって沖縄との往復の飛行機代は高いのに、あの当時で、しかも借金をしているような経済状況で、そんなにホイホイ移動できるわけがない。

 

私が一番「なんじゃこりゃ~~、視聴者をバカにするのもいい加減にせい」と思ったシーンは、主人公は「料理のプロ」であるはずなのに、青ネギを刻むシーンたるや、もう、その刻み方が小学校の家庭科のレベルなのだった。あんな不器用な刻み方をする「プロ」がどこにいるんじゃ~~! いくらまだ若い女優とは言え、料理のプロという設定なら、せめて、包丁の持ち方、刻み方のトレーニングくらい受けておけ、と思った。その辺の普通の主婦の方が百万倍も上手だ。

 

とまあ、たかがドラマで腹を立てるほどのことぢゃない、ってのが結論なのかもしれないけど、我々の腹が納まらないのは、民放だったらとっくに打ち切りになっていてもおかしくない愚作なのに、NHKは、反省も何も見せず、延々と最終回まで放送しつづけるからである。そして何より、制作費は、我々が払っている高い高~い受信料だからだ。

受信料返せ! 受信料の無駄使い反対!

 

最後に一言、沖縄人をあんな大バカに描かれて、沖縄県民はもっと怒らないのだろうか?