出荷できない大根

先週、日本橋大伝馬町で「べったら市」があったので行ってきた。

ここ2年間、コロナで開催できなかったけれど、今年やっと開催された。

東京名物の漬物「べったら漬け」を売る市であったはずだけど、今はべったら以外の屋台がやたら目立つ。

それはともかく、「べったら漬けくらいスーパーで買えるのに、なぜわざわざそこまで出かける?」と聞かれたら、その理由は、「皮付き大根」で作られたべったらが、この市でしか買えないからだ。皮付きは美味しい。

 

 

さて、近所に「まぐろ屋」という、きょうだいでやっている小さな店がある。三浦漁港から仕入れたマグロの刺身などを売っている。そこでは、ときどき大根も売っている。大根の産地である三浦半島つながりってことだろうし、そもそも、刺身のつまとしても使うから仕入れるのだろう。

 

その店頭で、「わけあり大根」として、立派な大根が1本100円で大量に売られていた。しかも、葉っぱ付きである。

大根の葉っぱに目がない私が見逃すはずがない。大根1本と、それから、誰かが切り落として行った葉っぱがあったので、ついでにもらってきた。

 

 

葉っぱは、さっとゆでて刻み、小分けにして冷凍する。炒めたり、味噌汁にしたり、ワクワクである。

さて、店の人に、この大根が「わけあり100円」として売られていた理由も尋ねた。

「皮がきれいでなくて、出荷できないから」

との答えだった。

なんだと~~、たったそれだけの理由で、農協に出荷できないってわけ?

 

確かに、写真の通り、表面にぼつぼつがあったけど、ピーラーで剥いてしまえば何でもない。全部一口大に切り、米のとぎ汁で茹でたのち、人参や油揚げとともに、煮付けにした。皮がどうだ、なんて微塵も関係ない。

フードロスの問題が叫ばれているのに、そんな程度の理由で出荷できないなんて。

農家の側では、出荷できないのを、切り干し大根とか漬物とかにしているのだろうか。それでもなお、大量に廃棄されているに違いない。

ああ勿体ない。

しかし、できの良くない作物を出荷すると、他の作物の売上げに悪影響を与える、とも聞いたことがある。