なくなっていく仕事

JR東海が、10月末をもって、新幹線のワゴン販売を終了する、とアナウンスした。

 

 

少しさみしいような気もするが、考えてみたら、新幹線の駅の前やエキナカには、コンビニやらKIOSKやら、売店は数限りなくある(岐阜羽島とか新富士など乗客数が少ない駅ではどうか知らないけれど)。しいて車内で飲食物を販売しなければいけないほどの需要も、もうないだろう。実際、売上げも減少しているそうだ。熱々のコーヒーとか、カチンカチンのアイスなどの「鮮度」が関わるものを除けば、特に必要とは思えない。しいていうなら、東京から新大阪まで乗った場合、道中、下車しなくても、静岡県や愛知県のみやげを買うことができるのはちょっと良いかも。ま、そんな程度である。

逆に、熱々コーヒーとか、カチンカチンアイスとかは、車内に自動販売機を設けたらどうだろう。

 

実際、ワゴンサービスをするにしても、あの仕事に就きたいと応募してくる人がいない、という話だ。当然だろう。かっちりした制服を着て、多少ヒールのあるパンプスを履いた姿で、あんな重量のワゴンを引いて販売したいと、若い女性が積極的にやりたいと思える仕事だろうか? 待遇だって、正社員ではなく、契約社員だろうし。

 

30年くらい前までは、食堂車、というものもあった。懐かしいなあ。今はなくなったけど、なんとも思わない。メニューは高かったせいか、親に連れて行ってもらった覚えもない。

 

ワゴン廃止の代替サービスとして、グリーン車の乗客には、QRコードからオーダーすれば持ってきてくれるそうだけど、そこまで必要だろうか?グリーン車の乗客のためだけに、いちいちコーヒーとか弁当とか用意したら、廃棄量が多くなりそうな気がする。

 

昔あったけど、もうなくなった仕事って、考えたらいろいろあるなあ。

タイピスト、とか、エレベーターガール、とか、テレックス操作員とか。

昔は機械化されていなかったから、今では考えられないほど簡単な仕事にも人を雇っていた。職場のおぢさんたちに茶を入れる係とか、郵便を出しに行く係とか。ワゴンサービスも、そういう流れだということだ。