まず最初に、アメリカにお住まいのAmebaブロガーちゅらぴさんに、深く深~く御礼申し上げます。
10月18日に書いた弊記事「ハチ公生誕百周年で初めて知ったこと」に彼女からいただいたコメントで、東大にもハチ公像があることを教えていただかなければ、私は一生この像を見ることはなかったはずです。
ギンナンがぼたぼた落ちてかぐわしい東大キャンパス。いくら東大のシンボルマークがいちょうだからって。キンモクセイの香りと相殺し合っておりました。
農学部の門を入ってすぐ左に。あった~~! 1000万円もの資金を募り、ハチの80回目の命日である2005年3月8日に設置された像だそうです。
ハチが、「先生、おかえりなさ~~い!」と飛びついて喜んでいるさまが実によく表現されています。愛らしいハチ。
ハチの右顔。
ハチの左顔。
ところで、私ども夫婦がこの像にたどり着いたとき、とある小柄な老紳士がそこに立っていて、私に「写真を撮ってくれませんか」と頼んだ。
この方、私を見て、延々とハチの話をなさる。
聞いたところ、ハチ公の生まれ故郷である秋田県大館市の市議会議員さんだった。名刺までいただいたが、地元ではちょっとした名士のようす。
ハチ公保存会の会員で、これまでハチ公のためにさまざまな活動をなさってきて、ハチ公サミットも開催したとか。ハチ公像は、渋谷とここ東大農学部だけではなく、さらに、ハチの出身地の大館市、上野先生のご出身地である三重県久居市(今は津市に併合されたらしい)、山形県鶴岡市、福島県飯館村、それから、アメリカはNJ州にもある、と教えてくれた。
もう、ハチについてしゃべり出すと話が止まらない方だった。こっちはかたわらに日本語の不自由な男と来ているのに、その男のことは完全無視し、懸命に私のために喋り続けた(旦那、ごめん)。私が、
「母は秋田出身で、母の旧姓は議員さんと同じです」
と言うと、さらに喜び、話が止まらない。しまいにゃ
「大館に来たら泊めてあげますよ」
などとおっしゃる。携帯番号までもらった。
この農学部の門のわきに、こういう資料館があるのだが、この議員さんに会わなければ、中を見ずに帰ったはず。
議員さん、
「この資料館の中には、ハチの内蔵がホルマリン漬けされて保存されているんですよ」
とおっしゃった。
ひえ~~っ、上野の剥製だけでなく、内臓まで保存されていたとは!!
早速入ってみた。
↓は、ハチの肺と心臓。心臓(左側の臓器)の中に、糸くずのようなものが何本も見えるが、これが、寄生していたフィラリア。また、平成に入った2011年の調査で、心臓と肺にがん細胞も確認された。
↓ ハチの肝臓。
↓ ハチの脾臓。
体が大きい秋田犬だけに、臓器もかなり(人間並みに?)大きいように思えた。
本当に、貴重な経験をさせてもらった。
改めて、ちゅらぴさんと、偶然お会いした大館市議員のSさんに、感謝の意を表します。
最後に、ハチ、上野先生、どうぞやすらかに。