全国矯正展

私は、犯罪被害者救済ボランティアの講義を聴きに行っていたことがある。やたら犯罪者の人権ばかりを叫ぶ世間を憂えているのだが、ともあれその犯罪者らが、塀の中でどんな訓練を受け、どんなものを製作しているのか、にも興味があって。

 

受刑者の矯正には、杉良太郎さん、伍代夏子さんご夫妻が熱心にかかわっており、今日も会場内のポスターにご夫妻の顔写真があれこれと出ていた。

 

 

日本全国の刑務所から人が来て、ブースが設けられていた。びっくりしたのは、場内、非常に混んでいたこと。そして、あるところに、ずら~っと行列が出来ていたので、「なに?」と思って見たら、刑務所で焼かれたコッペパンの販売開始に並んでいるのであった。ひょっ。

 

刑務所の中で、受刑者らが作成するといったら、こんな木工品が多かった。たんす、椅子、戸棚といった家具類か、まな板とか、木の玩具とか、いろいろ。

 

 

↓たぬきやフクロウの彫刻。あと、靴、バッグ、鍋、地方の特産物を行かした食品、その他、農作物など、種類が多かった。農作物の場合、刑務所の中に農地があるのか、外に農地を借りているのか?

 

↓これは、横須賀刑務所で作られている、ブルースティックという洗剤だ。以前ネットで見て知っていた。これ、すごく汚れ落ちが良いので、評判なのである(まるで、「刑務所のウタマロ」だね)。良く売れており、購入数に制限があった。

 

佐賀県鳥栖市には、女囚専用の「麓(ふもと)刑務所」があるようだ。

そこでは、全国の矯正職員が着る制服を一手に作成していることを知った。

あと、女囚なせいか、髪飾りなども多数展示されてあった。

 

 

たぶん、こういうところに入った経験がある人は、出所後、会社員などとして雇ってもらえることはないだろう。

なので、手に職を付けるというのは、賛成というより、生きるために必要不可避なことだと思う。

昔は、刑務所の中で、美容師とかクリーニング師などの資格もとらせてもらえたはずだったが、いまはどうなんだろう?

 

刑法が改正され、2025年から「懲役」「禁固」の別がなくなる。すべて「拘禁刑」に一本化されるとのことだ。

 

 

しかし・・・

こういう、一度二度、道をふみはずしてしまった人たちに、復活の手段を与えるのは、もちろん必要だ。真に反省して、まじめに社会復帰をしている人も多いだろう。しかし、被害者らは、受けた被害を永遠に忘れないことを、彼らはちゃんと理解してくれているだろうか。

犯罪被害者救済ボランティアの講義で、加害者側は「カネがない」と開き直り、殺人をした遺族に1円たりとも賠償せず、出所後のうのうと生きている、とか、被害者は自費で病院に行って加害者から受けた傷を治したりしている、とか、どう考えてもおかしい状況をあれこれ学んだ。あ、会場をよく見たら、その犯罪被害者救済に関するブースもあった。ほっ。

 

 

完全に余談。

フォーラムの外には、この「東京の水道水」を飲ませる給水器があった。

 

東京の水道水なんて、と思っていたが、予想外に美味しかったのでびっくり。これなら東京でもミネラルウォーター買う必要ないんじゃないか?