春風は痛い

いまくらいの季節になると、ニュースなんかで「そろそろ花粉が気になる季節ですね」と言う。そして、ご丁寧に花粉注意報まで画面に出たりする。

しかし私は「花粉症って、何?」というくらい、そういう症状には縁が無い。縁がある人たちにはさぞ羨ましがられると思うのだが、罹患してみないとつらさがわからないため、比べようもない。

ついでに、肩こりとか、肌荒れ、といった症状にも無縁。

かかりつけ医師には2か月に1回くらいしかかからないけど、医師は、私の血圧を測りながら、

「きっと、親御さんからいい体質を受け継いだのでしょうね」

とほめてくれる。そのくらい血圧も低い。

持って産まれたものって、自分には当然のものだから、どれだけありがたいことか、価値がわからない。

いやなことも沢山引き継いで産まれたけどさ。

 

さて、私が春になると困るのが、風、である。

目にゴミが入るからである。

私は近視になって以来、メガネの似合わなさのため、ほぼコンタクトで過ごしているが、産まれつき目がとっても小さいので、ソフトレンズだと、大きいから入れるのに苦労する。そのため、選択肢はハードに限られるのだが、最近はどっちかというとソフトレンズの方が主流のようだ(しかも使い捨て)。

ハードレンズにゴミが付いたときの激痛は、経験しないとわからない。0.001mくらいのホコリでも、レンズに付くともう、道ばたで立ち止まり、ボロボロ泣いて出すか、それでも出ないときは、コンビニなどのトイレに飛び込んでレンズを洗ったりする。日本は公衆トイレの数が多いのが救いだ。

作家の群ようこさんが「目が小さい人の方が目にゴミが入りやすいのはなぜなんだろう」と書いておられたが、私もまったく同じ疑問を持っている。大きい目の近眼さんは、ソフトを入れているからなのかな? ちなみに、ソフトレンズならゴミが付いても全然痛くない。

昨年か一昨年、花粉症メガネというものを購入した。度の入っていない、透明かつ大きい眼鏡で、両眼をおおうためのものである。しかし、それをかけて外出しても、すき間からゴミが目に入ってしまい、結局、痛みと闘うのは同じ。要するに、あんまりホコリよけの効果(花粉もそうだろう)は無い、ってことだ。