日本人の1年間の出生数が、統計を取り始めて以来、最低を記録しそうだという。
昭和41年の「ひのえうま」より、さらに低くなる。
もう、今後政府がどういう策をとっても、日本女性が子供を多数産むことはないだろう。
妊娠、出産とは、かなり原始的な行為だ。
男性と同じように学歴を身に着け、男性と同じように仕事をし、男性と同じように給料をもらえば、しいて結婚しなくても済む。
男性が相変わらず家事育児にも協力しなければ、なおのこと。
ハンガリー政府が「4人以上出産したら、その女性は一生所得税をタダにする」という策を打ち出したそうだが、政府の策は、永久に不変ではない。いつか変わるかもしれない。ボコボコ産むのは、恒久的に不変な「生活保護」という制度をたよる、脳みそとお尻の軽い女たちに限られてきたのではないか。
先般、以前勤めていた会社の女性たちに会ってランチした。
その中の一人が、
「高3の息子が、卒業したら、日本の大学に行かず、オーストラリアに留学したいって言うの」
と、でかい声で言う。声がでかくなるのも道理で、
「1年間に、学費だけで、550万円くらいかかるの。どうしよう~~」
と言うではないか。ひえ~。
私も、思わず、
「それじゃ、●●さんのお給料、右から左に消えるじゃないですか~」
と、のけぞりながら言った。彼女も、
「そうなんですよ~」
と、顔を覆った。
「それでも、親って、子供の希望に、Noって言っちゃいけないんでしょ?」
などと言うが、それはないぞ、NoならNoと言わないと老後の設計が無茶苦茶になるそ、と私は思ったけど、それは言わなかった。
海外の大学によくある話で、自国民の子女には学費は抑え目にしてある反面、留学生からは「ぼる」のだという。
子は一人だけで、夫婦共稼ぎだから、「頑張れば絶対にNoではない」から、つい頷いてしまったらしい。
「息子さん、英語できるの?」
と聞いたら、全然、という。これから日本の英語塾に通わせないと、と言う。
私が若いころと違って、いまや、海外へ行くハードルは、極めて低くなった。
私は育ちが貧しかったし、両親もド田舎の貧乏育ち、海外に行くなんて、まるで「遣隋使、遣唐使」の感覚だったから、留学なんて考えが、私に思い浮かぶよしもなかった。
それでも、たまたまアメリカ系の会社で働いたことで、すべて独学で英語を身に着けたし、たまたま行った海外の土地で、アメリカ人と知り合って結婚する機会も得た。以降、英語で仕事して食っている。
言葉も話せないうちに、いきなり親が丸抱えで留学させるって、ありなんだろうか。
個人的に、せっかく英語を身につけさせるなら、オージー英語はやめとけよ、と思うのだが、それも言わなかった。
日本の大学で2年くらい送り、その間死ぬ気で英語を勉強してから留学した方が、先々、日本の土台で働くこともあれば有利でしょ、とも思ったけど、それも言えなかった。
みんながみんな、我が子の大学の学費に2000万円かけるわけじゃあないけど、共稼ぎでも、子供は一人しか持てない、はたまた、持たないようにしないと、やっていけないのが現実。