「過料」と「科料」 同音異義語多過ぎの日本語

うちのアメリカ人旦那が、日本語に対して良く憤ることは、

「日本語はどうしてこんなに発音が少なく、こんなに同音異義語だらけなのに通じているんだ?僕の耳には全部同じに聞こえる」

である。

私に言わせたら、文字がたったの26個!!しかないなんて、言語としてお粗末もいいところ。そのせいで、1語のスペルがやたら長くなったり複雑になったりと、読むのに苦労するような単語も頻繁に目にする。それに、日本語もそうであるけど、英語も外来語の影響を多大に受けているので、医学用語なんてラテン語だらけ。一定レベルの学力に達しない層では、ぱっと見たって意味不明な単語ばかりだろう。その点、日本語だと漢字で書くから「肝炎」「関節炎」は、読めなくても、意味は見たまんま。それが英語だと「hepatitis」「arthritis」なんて、ぱっと見てわかるかい! 私も旦那に「子宮筋腫」という言葉を英語にして見せたことがあるが、「何これ?」と言っていた。漢字なら、見りゃわかるのに。漢字は「絵」だ。

 

と、まあ、それはさておき、漢字に依拠している日本語だから、「同音異義語が多すぎる」という苦情には,悔しいけど同意するし、過去にも度々書いてきた。

最近目に(耳に)とまったのは、この、コロナで外出禁止を破ったときに罰金を科すかどうかで与野党でもめた「かりょう」だ。

これがまた、発音は同じなのに、

「過料」だと、金を払わされることは同じだが、行政罰なので、刑事罰にならないから、「前科」にならない。

対して、科料だと、これは刑法に定められた刑事罰の一つなので、これを食らったら前科持ちになってしまうのだ。

ために、前者の「過料」を「あやまちりょう」、後者の「科料」を「とがりょう」と読んで区別することもあるというが、正しい発音が同じだというのは、究極の欠陥だと思う。

 

ほかにも、最近のニュースで同音異義語でイラついたものをメモしていたら、

「要請」と「陽性」

「指示」と「支持」

「選挙」と「占拠」

「銀行」と「吟行」

などがあった。

歯医者さんで、歯科衛生士と話をしたとき、彼女らは、

「バッシと言っても区別がつかないので、糸を抜くときは『バツイト』と言います」

と言っていた。衛生士さんらは資格上「抜歯」はできないから、まずそんな間違いはないだろうけど、ほんと日本語って紛らわしい。