旧友の「アレ、アレ、アレ、なんだっけ」

あだ名で呼び合える友人というのが、一番長く続くような気がする。

アメリカには「30過ぎたら新しい友人はできない」という言葉がある、と、NHKのラジオ英会話番組で聞いたので、アメリカ人旦那に「ほんとにそう言う言葉があるの?」と聞いたら、「聞いたことがない」と言われた。はあ。

 

ともあれ、若い頃からあだ名で呼び合っている友人の一人と、最近会った。

いまどきは、LINEやメールでちょこちょこ「しゃべった」気分になるから、顔と顔を合わせなくとも、疎遠にならずに済む。

ところが、その彼女と話したとき、異変を感じた。

言葉が出て来ないのである。

「あれ、あれ、あれ、なんだっけ。小麦粉で焼いたんだよ」

と言うので、なんだろうと思いつつ、私が、

「パンケーキ?」

と聞くと、

「じゃない」

と言って、手で四角を作る。

「ガレット?」

と聞くと、それも否定し、もっと手の四角を横に広げて見せた。

「パウンドケーキ?」

と聞いたら、彼女、やっと

「そう、そう、そう」

と答えた。

 

実際はこの「パウンドケーキ」以外にも私が「●●? それとも△△?」と言葉を推測してやったシーンが何度もあったのだ。

 

う~~、恐ろしい~~。他人事じゃない。