先日、長年の友人に会った。あだ名で呼び合える数少ない友人。
しかし彼女、20代のころからずっと「眠れない、眠れない」と訴えて、精神神経科とか、睡眠クリニックなどに通った経歴の持ち主だ。
そのことについてはここ数年話が及ばなかったが、先日会った際、なにかの拍子でその話に及んだ。
彼女は未婚で、同じく未婚の姉と2人で暮らしている。
姉の方が、朝起きて1階のカーテンを開ける音がすると、彼女(妹)の方は、寝室から、
「お姉ちゃん、カーテンを開ける音うるさい!あたしは6時間寝ないと死んじゃうんだからね!」
と叫んで姉に文句をつけるのだ、という。
はあ・・・・
彼女が私に、
「あんたは1日何時間くらい寝てるの?」
と聞いてきたので、
「う~~ん、あんまり気にしたことないよ。まあ、長くて6時間とか、3~4時間のこともよくあるし」
と答えると、彼女、
「えええ~~、3時間とか4時間だったら死んじゃいそう」
とか言うので、
「そうかなあ。だって健康で生きているんだから、体としてはこれで足りているんだよ。もう激しい労働をするわけじゃないし、この年なんだから、そのくらいで足りているってことだよ」
と答えたけど、全然納得しない。
「6時間寝ないと死んでしまう」
ってのは彼女の一方的な思い込みに過ぎないと思うので、私が重ねて、
「体の声を聞きなよ。睡眠が足りているから、ちゃんと生きて行かれているんだよ。人間、本当に睡眠が足りていなかったら、歩きながらだって寝るんだって。そんなことないでしょ?だったら足りているんだよ」
と言っても、絶対耳を貸そうとしない。
私はこれまで、睡眠に悩んだことは無く、若い頃から働き盛りの頃は、横になればコロッと寝付いた。なので、彼女のようなタイプは理解を超える。
本当に治療すべきは「不眠症」ではなく、「◎時間寝ないと体に悪い、死ぬ」と勝手に決めつけ、ベッドで時計とにらめっこし、カリカリ、イライラすることの方だ、と思った。
彼女から手土産にクッキーをもらったのだが、箱の裏を見たら、げげげ。Made in K。