常々、日本語は同音異義語が多すぎる、と思っている。
自説だが、日本人がそうそう困らないのは、
「頭に漢字を思い浮かべながら話したり、前後を推測しながら話したりしているから」
だと思っている。しかし、頭に漢字を思い浮かべながら話さない外国人には、日本語の理解はいかに至難なことか。
うちのアメリカ人旦那なんていつも、日本語の母音の少なさを嘆き、なんだかんだでみな同じような発音に聞こえる、どうして日本人はこれで不便しないのか、と文句を垂れる。
前にも書いたのだけど、正反対の意味なのに同音異義語だというのは、問題に過ぎると思う。
例えば「好天」と「荒天」。
または、「協業」と「競業」。
「昨日はこうてんでしたね」
「うちの会社はA社ときょうぎょう関係でしてね」
前者なら、昨日の天気を思い出してどっちの意味かを判断できるけれど、後者だと、友達なのかライバルなのか、話の雰囲気を察知したり、もっと話を聞いたりしないと分からない。
この間、ラジオでちょっと耳に挟んだ言葉があった。
薬品会社か化粧品会社のCMだったと思うのだが、
「当社は、裸学に基づいた・・・・」
と、言う。え?え?え? 薬品会社か化粧品会社だと、「はだかがく」なんてイヤラシイ学問が存在するのか?
私は一瞬固まったが、1秒後、「肌科学」らしいと分かった。はあ~~。
英語ネタに移る。
先日、NHKのラジオ英語番組で、「Unmatched」とという単語を聞いた。これまで使ったことがない。「Un」は否定の接頭語、「match」は「組み合わせ」だから、「マッチしない」つまり、「釣り合いが取れない組み合わせ」のことかな、と思った。が、説明によると、
「比類の無い、比肩しようもない」
という、ほめ言葉に使う単語だと知った。人が持っている技術や能力、美しさなどに使うらしい。
でも、なんとなくピンと来ない。
なので、旦那に、我々がよく知る、釣り合いの取れない夫婦を引用し、「あれみたいな状況?」と尋ねたら、
「違うよ。Mismatch、と混同しているんじゃない?」
と言われ、あ~~、そうだそうだ、と思った。「Mis」も否定の接頭語だけど、「unmatch」と「mismatch」、かくも意味が違うんだね。
言葉は、知らないものばかり。何年生きても、知らない単語ばかり。