寿司屋にて

あの、スシローで寿司テロを起こした岐阜県の工業高校生、自主退学した、とか聞いた。

おせっかいな人々が日本中にいたらしく、その高校に「あんなバカは退学させろ」と抗議電話が殺到したらしい。

まったく無関係な外部の人間が、そこまでするのも異常。

これからあのテロくんは、高校中退という学歴にもならない学歴で、社会に出ても、一生働いたって返せない損害賠償金を背負って生きていくんだろうなあ。

 

さて、と、これは、先日、回る寿司ではなくて、夫婦二人で経営している某寿司屋にランチしに行った時の話。

食べログを見たら点数が高かったの。

量の割に値段がリーズナブル。もっと取ってもよさそうな価格だったが、日本ってほんと外食の安い国だ。

ところで、ここで気になるものを目撃してしまった。

大将は、酢飯を、寿司桶ではなく、昔私の実家でも使っていたような、小さな「おひつ」に入れ、そこから手に取って握っていた。

(↓ こういうの)

 

 

しかし、そのおひつ、長年大将の手が当たってきたであろう縁(ふち)の部分の色が、真っ黒けっけだったのだ。

大将の手の汗と手垢の積み重ね・・・・・

カウンターで食べていたので、目の前にそれが。一瞬「うっ」となってしまった。

 

うちの母は昔、鍋とか台所道具を時々買い換えるのに、異常な注意を払っていた。

なぜかというと、

「人から見られたら、あんな古いの使っている、とか思われたらイヤだから」

というのが理由だった。

母の「人から見られたらどう思われるか」という感覚は、私から見たらほとんどノイローゼに近いものだった。まあ人生のほとんどを主婦として過ごしてきた人だから、そんなもんだろうけど。確かに、たまに人の家の台所を覗かせて頂くと、「こんな黒いまな板使っているの?」というようなものに出くわすことがあったりする。毎日見ていると、目が慣れてしまうのだ。

 

大将は、長年ずーっと愛用してきたおひつだから、目が慣れてしまって何とも思わないのだろう。

もうあそこに行く気はなくなった。というか、素手で握ったものが食べたくなくなってしまった。

大体の外食は、料理人が素手で素材を持つことが多いのはわかっているけど。

寿司屋の味は「大将の手垢にもある」なんて言葉を聞いたこともあるけれど。

 

食べログに書き込みしようかとも思ったけど、やめておいた。