ドイツにGDPを抜かれそうだという話

かつて日本は、アメリカに次いでGDP世界第2位の国であった。

そこへC国の成長があり、2010年に第3位に落ちた(注:C国の統計データが正しければ)。

しかし、アメリカもC国も、国土面積は日本の20倍以上、人口はそれぞれ4倍、10倍ほどあるのだから、そんな国々と互して、良くやっているほうだと思っていた。

しかし、今年末のドル円レートにも因るのだが、今年はドイツにも抜かされ、世界4位になりそうだという。

 

米ドル換算にて計算されるため、現在の150近い円安で換算されると弱くなること、

それから、ドイツの方が物価上昇率が高く、この上昇率が実質GDPに加わった名目GDPを採択するためでもある、という。

 

念のため、ドイツと日本の地理的要件を比べてみた。

国土面積は、両国ともほぼ同じくらいだ。しかし、人口はドイツのほうが日本より4000万人ほど少ないのである。

あと、キリスト教の教えにより、ドイツでは土曜日の午後から日曜日丸々、仕事もお店も休む。

日本の年間労働時間が1710時間とされるところ、ドイツでは1356時間と、日本より20%も少ないのだ。

それでもこの数字を上げることができているとしたら、よほど労働効率や費用対効果が良いと思われる。

 

あと数年内に、インドにもGDPを抜かれる予測だ。しかしインドは、アメリカやC国同様、大面積+大人口を誇る国である。

そんな国に抜かれても、諦めも付く。

しかし、ドイツに抜かれることについては、もっと日本という国のあり方、働き方を真剣に考えねばならない。

キリスト教を背景とし、労働は神からの罰である国、従業者は客と完全に対等な関係であるため、へりくだるような顧客サービスを一切しない国であっても、これだけの生産を上げる国。

GDPだけがすべてではないけれど。

かつては、スペイン、ポルトガル、イギリスなどが世界の覇者であった時代もあったけれど。

 

我らが日本は、成長をあきらめた国として、維持だけでも精一杯になるのだろうか。